糖尿病

メインイメージ「活性酸素が原因でおこる病気」

〜糖尿病・内分泌・代謝系疾患

 
「糖尿病」とは、血液中のブドウ糖が増えすぎインスリンによる正常な処理(代謝)が出来なくなり、本来のエネルギー源として細胞の中に取り込まなければならない糖が尿から出て行ってしまう病気です。排尿時に甘酸っぱい匂いがして、初めて糖尿病に気が付く人もいます。

 
50年前には日本における糖尿病患者は45歳以上で500人に1人ほどしかいなかったのに、それが現在では10人に1人と50倍に跳ね上がって、さらに増加の傾向にあります。
厚生省が最近実施した生活習慣病の疫学調査によると「現在既に糖尿病であると判断された人」が690万人「将来糖尿病の可能性があると疑われる人」すなわち糖尿病予備軍が680万人で、両方合わせると、1370万人もの人が「糖尿病もしくは糖尿病予備軍である」ことが判明したのです。

 

コントロールしているインスリンが問題

私達は体が活動するためにエネルギーを体外から摂らなければなりません。食事から摂取した糖質(炭水化物)は体内で酵素によって分解されたブドウ糖になります。
ブドウ糖は血液によって全身に運ばれ、私達の筋肉や脳が働くためのエネルギー源となります。またこのとき使われなかったブドウ糖は、脂肪細胞に取り入れられて貯蔵されます。

このブドウ糖を細胞の中に取り入れたり、脂肪細胞に貯蔵するときに不可欠なのが膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンです。食後、体内では食べ物の消化や分泌が盛んに行われ血液中にブドウ糖が増加し血糖値が上がる。
すると同時に膵臓からインスリンが分泌されブドウ糖を処理し、血糖値は下がります。このようにして健康な人は血糖値を一定の範囲に保っているのです。

ところがインスリンの分泌が少なかったり、働きが悪かったりすると、ブドウ糖が細胞の中に入れなくなり血液中にあふれてしまいます。そして血糖値が下がらなくなり高い状態のままになる、これが糖尿病です。

糖尿病には2つのタイプがある

・インスリン依存型

先天的にインスリンをうまくつくれない遺伝体質の人で、子供の糖尿病はほとんどがこのタイプです。30歳未満での発症が多いことから「若年型糖尿病」ともいわれています。糖尿病患者全体の約1割。

・インスリン非依存型

インスリン非依存型も、やはり遺伝的な体質がありインスリンをつくる能力は多少ありますが、分泌能力が弱く、ブドウ糖を細胞の中になかなかうまく入れられないのです。
このため、肥満や運動不足、過食、ストレスなどが誘引となって発症してくるのです。また特定の栄養素の不足。特にマグネシウム、クロムが不足すると発症する可能性があることが最近判明してきました。

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糖尿病と活性酸素の関係は?

血液中の糖が多くなると、血管の細胞内では活性酸素がさかんに発生します。すると細胞は活性酸素によって酸化され血管は徐々に破壊されていきます。これが進むとやがては血管に穴があき、その結果出血が始まるのです。しかも細い血管がじわじわと詰まっていくのです。活性酸素が深く関係しているもう1つの理由は、活性酸素によって細胞内のミトコンドリアが傷つけられ、エネルギーを生成する製造効率が落ちてしまいます。するとインスリンも分泌する量が減ります。その結果、糖が細胞の中に入れず血糖が増えてしまうのです。
 

こんな症状は糖尿病

糖尿病は初期の段階ではほとんど自覚症状が無いという困った病気なのです。
ですから本人が自覚するようになった時はかなり進行しているといえます。糖尿病の症状は「多食・多飲・多尿・体重減少」で「三多一少」といわれます。

 

多尿・口渇・多飲

血糖が増えると、腎臓で糖分を吸収しきれなくなり、水に溶け出して尿として外に出る。この時多くの水が必要になり、その結果尿の量が増える。その水分を補うために喉が渇き多飲となる。

疲労感・だるさ

ブドウ糖がインスリンの不足で細胞に十分に取り込めないためエネルギー不足になり、疲れやすくなる。

空腹感・多食

ブドウ糖をエネルギー源として十分に利用できないために、資質を利用する代謝作用がおこり、血液中に遊離脂肪酸を増やして食欲中枢の働きを妨害し、満腹感を感じさせなくする。

体重減少

血糖がエネルギー源として利用できないため、脂肪質、タンパク質も利用してしまい、身体を更生する分までエネルギーとして使ってしまう。

糖尿病昏睡

細胞の働きが低下し体の状態を一定に保つことが出来なくなり、その結果、意識がなくなり倒れてしまう。

 

糖尿病は合併症が怖い

糖尿病が原因で死亡するケースはそれほど多くはありませんが、本当に怖いのは何の自覚症状もないままに病気が進行し、長い年月を経てはじめていろいろな症状がでてきて障害が現れてくることです。そのときはすでに、動脈硬化や網膜症、腎臓病、神経障害などの合併症を引き起こしているのです。

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糖尿病の三大合併症

・糖尿病性網膜症

糖尿病になると前進の細かい血管に障害が起こってきます。特に目の網膜には細かい血管が縦横無尽に通っています。この毛細血管が障害を受け、もろくなり、ちょっとした衝撃や血圧が上がったときに破れ出血する。この現象が進むと、やがては網膜が眼球壁から剥がれ失明する。眼底検査で簡単に発見できます。初期の段階なら血糖のコントロールで症状は十分に改善できます。

・糖尿病性腎症

腎臓は心臓から送り込まれてきた血液の中から余分な水分、塩分、老廃物を取り除いて尿として体外に排泄し、きれいな血液として心臓に戻すという重要な作業をしています。
糖尿病によって腎臓の毛細血管が傷つけられ障害を起こすと、この濾過作業が機能しなくなり、尿がつくれなくなり、やがては腎臓自体の機能が破壊され腎不全となり、人工透析をせねばならなくなります。

・糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害は網膜症や腎症に比べて早い段階で症状が現れる合併症です。気等の調整が効かなくなり、高血糖状態が続くと活性酸素により末梢神経が侵され障害が現れてきます。通常、神経障害は体の末端(末梢神経)から始まるため、 指先や足先にしびれを感じたり、痛みがあったり、とくに足の膝から下が痛くなるといった症状が現れます。

この神経障害が進み、神経線維の損傷がひどくなると、逆にしびれや痛みを感じなくなります。痛みがなくなるので、病気が治ったと勘違いしてしまうことがあります。またちょっとした怪我などでは、傷があっても痛みを感じさせないために気がつかずにいたりします。そのためにその傷が原因で壊疸になることがあります。
もう一つ注意すべき点は自律神経にも障害が起こるということです。例えば発汗に異常をきたしたり、立ちくらみや便通異常、インポテンツ等の症状が現れます。

 

糖尿病を予防するには

糖尿病にならないためには、まず自分の体の状態をよく知ることです。そのためにも特に次の点を留意すべきです。

日常生活の中で自分の血糖値をチェックし自分の血糖の状態や変化の仕方を常に把握しておく必要があります。最近は自分で簡単に出来る自己測定器が市販されています。特に現在すでに血糖コントロールしている人は1日3〜4回は測定する必要があるから必需品です。

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血糖値の基準値

       空腹時     食後2時間
重症の糖尿病 200mg/dl    300mg/dl
軽い糖尿病  130mg/dl    200mg/dl
要注意   110〜125mg/dl  140〜199mg/dl
正常    70〜110mg/dl   120〜130mg/dl

 

肥満は病気に対する危険信号です。

肥満そのものは病気ではありませんが、生活習慣病の温床になっています。糖尿病も肥満者は非肥満者に比べて、糖尿病になる確率が2倍になります。
肥満とは、体に脂肪を必要以上に蓄えている状態をいいます。これは食事で必要以上のカロリーを摂りすぎるため消費されないエネルギーが脂肪となって体の中に蓄積されるからです。
従って、日常生活で必要とする以上のカロリーを摂りすぎないように普段からの食生活から心掛けることが大事です。また、運動不足も肥満になる原因です。出来れば毎日30分以上は歩くことを心掛けるとか、毎日が無理ならば週に3?4日は1時間を目標にウォーキングを心掛けるなど、体重をコントロールする習慣をつけることが大切です。

タバコは「百害あって一利なし」といいます。

タバコは糖尿病とは関係ないだろうと思っている人もいるかもしれません。しかしタバコは私達の血管に影響を及ぼします。タバコを吸うと血液が収縮し血管の流れが悪くなり、動脈硬化などを促進します。

アルコール飲料は糖尿病患者には原則禁止です。

お酒は「百薬の長」といわれますが、ほどほどに飲むのは気持ちを開放させ精神的にも良い場合もありますが、飲みすぎは身体にとっては有害であり、活性酸素の発生源にもなります。アルコールは高カロリーであるうえに、ほとんど栄養素が含まれていません。従って飲めば飲むほどエネルギーが体の中に蓄積され、しかも食欲を増進させるために食べ過ぎてしまいます。